ニッポンのサービスの品質2011-08-09 21:00:59

おうちプロジェクトが終わり、猛暑で熱中症寸前だった引越プロジェクトも終わった。

この半年、このおうちプロジェクトのお陰でいろいろと社会勉強させて頂いた。そして、これまで途上国である某国や、先進国である某国で暮らしたり、仕事上では色々な国の色々なところとお仕事させて頂いている中で、ずっと信じていた「ニッポンのサービスの品質は世界一」が、最近はそうでもないのか!?と思わせられるような経験も.....。

内装の襖を手がけた業者さん、きれいに貼れてないから確認に来てもらったら、会社名も名乗らず(そりゃ発注した元請けとは違うんでしょうけど)、名前も名乗らず。説明も釈然としない上に、話をしている間に携帯で親方だかなんだかと大声で話す。挙げ句の果てには「お客さんが自分で貼ったらいいじゃないですか」、そして「そりゃこれじゃ僕が客でも満足できないし、気持ちはわかりますけど、親方怒りますよ。」

怒るのはこちらです!

怒っているうちに、南アジアで怒っていた感覚がデジャブ。ここは日本なのに何故......。

一方、引越業者のプロフェッショナリズムには脱帽。こんな引越って、他の国ではあり得ませんよ。他の国で「養生する」ってあるのか。家中真っ青に養生して、厳しく後進を指導する引越くんに感心。これぞ日本の引越です。

南アルプス南部縦走2011-08-21 21:28:36

マツムシソウ
長い間行きたいと思っていた南アルプス南部を歩いた。
聖、赤石、荒川三山。

いやあ、南アルプスは山が大きい。

奈落の底から山を見上げて登り、また奈落の底まで下っていく。この繰り返しで(久しぶりの縦走だったおこともあり)、修験道かと思いましたよ。

しかし、日々お天気に恵まれて、3000Mの峰々から思う存分眺望を楽しんだ。

8/13 7:50聖沢登山口 - 9:15聖沢吊橋 - 13:30 聖平小屋
8/14 4:30聖平小屋 - 7:55聖岳 - 10:50兎岳 - 14:35百間洞山の家
8/15 5:00百間洞山の家 - 6:00百間平 - 8:30赤石岳 - 11:00荒川小屋 - 13:55中岳避難小屋
8/16 4:50中岳避難小屋 - 6:10荒川東岳 - 7:45千枚岳 - 12:55二軒小屋ロッジ

今の体力的にテント泊は無理とあきらめ、小屋に素泊まりで3泊。最終日の二軒小屋ロッジは山小屋とは思えないお値段で少し贅沢ながら、前から泊まってみたかったこと、最終日のお楽しみということで滞在。トマトのピザとイワナの薫製がおいしかった!満足。

いつかの次回は北岳から千塩尾根、蝙蝠尾根から二軒小屋に降りてきたいものだ。

南アルプス 聖・赤石・荒川三山 記録2011-08-27 13:38:47

赤石岳を振り返る
DAY 1:
 南アルプスは遠い。清水ICからダムまで、永遠の遠い夜道だった。臨時駐車場は蚊がいっぱい!車中泊で暑くて窓を開けたいのと、蚊との戦闘であまりよく眠れなかった。翌朝は早くからバスのための行列。多くは東海フォレストのバス利用で、聖平小屋を運営する井川観光協会のバス利用者は少なかった。林道は台風の影響で崩壊箇所多し。
 聖沢からは急登がつづく。30分あまりの急登に耐えると、ゆるやかで緑美しいトラバースが続く。聖沢吊橋からはまた登続きで、山が久しぶりの身には堪える。ひーひーしながら滝見台の手前の沢に到着すると、おばさんツアーご一行に出会う。その後はこのツアー一行に追いつかれるのが嫌な一心と、夕立がくるのではないかとの心配からペースをあげつつ、聖平小屋まで。途中パラっと雨が降ってきたので慌ててカッパを着たけれど、雨はその後あがり、ただ暑いだけだった!
 聖平小屋は森の中の沢沿いで快適な立地。さすがにお盆だけあって人がたくさん、テントもたくさん。のんびりと外のテーブルでカレーを作り、明るいうちから夕食。

DAY2:
 朝、同行者のヘッデンが壊れていることが判明し、薄明るくなってから歩き始めることとした。小屋裏手の道を登っているうちに、日が昇る。この日はますます登りがつらく、聖岳までの登りの間に幾人もの人に抜かれた。ともかく足を動かさないと、ただそれだけで黙々と歩く。視線を上げると朝の空気の中で晴れ晴れと山々が見えるのだけが励み。
 聖岳はその名にふさわしく、堂々とした山だった。聖岳からは 360度の展望。レーションを食べながらその展望を満喫。
 聖からはまた登った分の下り。南アルプスってのは山は大きく、奈落の底から山を見上げ、奈落の底に下っていくような、それほどに登り下りのスケールが大きい。兎岳への道はところどころガレの岩場。樹林の中をガサガサとクマ鈴ならして歩いていく。兎から小兎へ、しかし、これって小兎なのか?!というような登り下りであった。中盛丸山のピークをこえて、百間洞へのトラバースへ。この日の疲れも蓄積し、この下りが意外につらく、長く感じた。
 百間洞山の家は奇麗な沢のすぐ脇に建つ。小屋をきりもりしているスタッフが皆若い。同行者のヘッデン問題があるので5時出発とし、翌日5時に焼き上がるというソーダブレッドを注文した。

DAY3:
 朝まだ温かなソーダブレッド(色々な木の実、ドライフルーツが入っていておいしい!)を受け取って、出発。百間平に登るまでには太陽もすっかり昇り、しばしなだらかな尾根歩きを楽しむ。次第に近づいてくる圧倒的な赤石岳の登りに恐怖心! いざ登り始めるといつもどおり一歩一歩足を進めていくしかないのだけれど。
 赤石岳の山頂はお盆上に広くなっていて、ピークからはまたしても大展望。お天気様々である。
 しばし展望を楽しんだあとには、例によって大下降。途中小赤石の登りを除いては、ここから荒川小屋までひたすら下っていくのであった(もったいない!)。テント泊の人はここで行動を打ち切る人も多いようだが、今日の目標は中岳避難小屋。荒川小屋でのんびり休憩したあとは、また、下った分を登って 3000mの稜線を目指す。
 中岳の稜線までの間には、目を見張るようなお花畑があるのだけれど、鹿よけの柵にかこまれたお花畑の中の登山道をジクザグに登っていく。ようやく稜線が見えることには雨がパラツキだし、中岳を手前でカッパを着る。そこからひたすら大雨来る前に小屋に!と思いながら、霧の中を歩く。
 中岳避難小屋にはその日の一番乗りで到着。小さな小屋だが小屋番のおじさんが気のきいた人で、たくさんの毛布を貸し出してくれて、快適なスペースを確保。昼寝をしているうちに大雨。歩いている人は大変だな~、などと思っていると、その後ずぶぬれのパーティーが3組到着。せまい小屋の調理スペースは人でいっぱいになった。
 この日小屋で買って食べたみかんの缶詰。驚くほどおいしかった。

DAY4:
 薄明るくなったころに小屋を出発。小屋のおじさんは丁寧に最後まで見送ってくれる。ありがとう、おじさん!
 すばらしい雲海と山々に囲まれて、何度も立ち止まりながら悪沢への登りに取り付く。一部濡れた岩稜帯をよじ登りながら、悪沢岳着。ゴロゴロした岩に腰掛け、おやつを食べながらまたすばらしい眺めを楽しんだ。悪沢から下っていくと、悪沢にあがってくるたくさんの人に遭遇。千枚小屋からあがってくる人たちがちょうどくる時間帯のようで、中には時計を落としたから拾ったら小屋に届けて、なんて言う人までいた。丸山から千枚岳にいたる道はすばらしいお花畑!タカネビランジ、マツムシソウ、ナデシコ、などなど。
 千枚岳から下り、千枚小屋と二軒小屋への分岐へ。ここから先二軒小屋方面に下る人はおらず、静かな静かな尾根歩きとなる。美しい森と、林間から覗くガレ。そしてキノコキノコキノコ。やたらとキノコが多い登山道をひたすら下っていく。途中あった人は3組。うち2組は二軒小屋からのハイキング組だった模様。結局この尾根は、二軒小屋に1泊する予定のある人しか通らない道なのだ。
 この日は3141Mの悪沢から、1390Mの二軒小屋まで、約 2000Mの下り。下っても下っても、まだ下る。足もだるくなってきたところで、待望の二軒小屋とダム湖が見える!が、実は見えてからが長く、道が悪かった。最後の 30分が拷問のように感じたところで、ついに二軒小屋ロッジ着。今回の山行のゴールである。
 二軒小屋ロッジは山小屋としてはお値段高め。場所と食事、施設を考えると、最後のご褒美としてはその価値あり。麓の野菜や岩魚、鹿肉を使ったお料理はどれもおいしかった。

 ということで、4泊5日の山旅はおしまい。
 山が大きくて登り下りのはげしい南アルプスは当分いいかな、と思いつつ、次回は北岳から千塩尾根、塩見、蝙蝠尾根を経て、再び二軒小屋ロッジに泊まってみたいかも。