日本に帰国して一周年記念2007-07-15 00:39:10

2006年の6月16日に見ていた風景(Yangon, Myanmar)
ネパールに3年暮らし、ニューヨークで2年の学生生活、そしてミャンマー経由で日本に帰国して、ちょうど1年。

この1年は、かなり自分をスポイルした1年だったなあ、と思う。

目前のことに最善を尽くしても、進まない、どこにも行っていない、ような気がする。


1年後には、自分は何を見ているのか。



写真は1年前に自分が見ていた風景。

GNH, Gross National Happiness2007-07-15 21:31:45

来週からブータンに行ってくるので、ブータンに関する本を読んでいる。

GNH, Gross National Happiness, 日本語で言えば「国民総幸福」というのは、1976年に前国王が打ち出した、有名な考え方だ。

"Gross National Happiness is more imprtant than Gross National Product."

この話自体は有名であるし、新聞やら様々な文献に取り上げられているので今更特段どうとも思わないのだけれど、これを数式で表したものを見た時にちょっと衝撃を受けてしまった。

幸せ = 財 / 欲望

さすが仏教国!と感心すると同時に、妙に納得もしてしまった。

ブータンは、「財」を伸ばすと同時に、分母である「欲望」を小さくするために、情報を制限したり、伝統的な価値観の浸透を図る政治をしているとも言える。

アメリカでの学生生活の同級生に、ブータン人がいた。彼は結構なお洒落で、よくよく見ると結構なブランドものなどを着ているので、ブータン人なのに、お金持ちだなあ、などと思っていた。その彼も、経済学の授業のグループワークで、このGNHをプレゼンテーションのネタに使い、プレゼンの時にはグループの皆で、ブータンの民族衣装、「ゴ」を着ていたのが印象的だった。卒業した後の今年1月、期せずしてこのブータン人にバンコクで再会する機会があった。彼は実はブータンのお姫様(第一皇女)にお婿入りしている。バンコクのサービスアパートメントのレストランで会った彼は、食事の間中お姫様に大変な気配りをしていて、見ていて痛ましいほどであった。(が、本人は全然気にしてないらしい。)

1年に何度もバンコクに来るというお姫様に、バンコクで「何してるの?」と聞くと、「スキンケアのためのトリートメントと、ショッピング。」との答え。話によると、毎日毎日、お買い物が大変らしい。後から、ブータンにいる知り合いに、王族の乗った飛行機(国営のDruk Air)が空港に着くと、王室マークの荷物が山積みになると聞いた。

王族がこんな暮らしをしているのを、一般のブータン人は知っているのだろうか。

ブータンは2008年に初めての民主選挙を予定している。既に2回も練習の選挙が実施され、選挙に行こうキャンペーンも繰り広げられている。ブータンで作成された有識者教育のビデオを見たが、国際社会の支援なくとも、着々と準備を進める勤勉さは、予定された選挙も延期となり、全てが予定通りいかない隣国のネパールと比べたら、信じられないほどの優等生ぶりである。

が、しかし。ブータンの国民は、何かを選ぶための情報をどこまで持っているのだろうか。

ともあれ、王族の一人当たりGNHはもしかして、国民のそれよりも低いのかもしれない。なにせ、分子も大きいだろうが、分母も大きいであろうから。と言ったら、意地悪だろうか。

古楽オペラ2007-07-16 21:41:21

今日は、イタリア文化会館で行われたスカルラッティ音楽祭世俗声楽曲コンサートに行って来た。古楽なんていうものは全く馴染みが無いので、普通に自分で行こうとは思い立たないところ、友人が歌うので聞きに行って来た次第。

どの演目も日本初演、もしくは世界初演ということで、興味深く、また、チェンバロとコントラバス、オーボエといった組み合わせが意外と面白かった。ただ、プッチーニやベルディといったオペラの王道に比べればやはりドラマ性には欠けて、いわゆるオペラとは違う印象。

ともかくも、改めて、友人の歌唱テクニックには感嘆。以前アメリカで彼女がフロリダのオペラハウスでヴェルディの「群盗」の主役をやっているのを聞いているけど、その時よりも、今日が良かった。

彼女に比べたら、他の出演者のレベルが低すぎて、そのアンバランスが舞台全体の印象としてはマイナスだったかな。正直、アルトは酷すぎて、聞いていて胸が痛かった。

写真は帰りに立ち寄った靖国神社。千代田区のお祭りかなにかだそうで、ものすごい雑踏だった。

パンク侍、斬られて候2007-07-17 22:39:16

今日から、町田康の「パンク侍、斬られて候」を読んでいるのだが、この感覚、何かに似てるな〜、と思ったら思い出した。

中島らも だ。

なんかすごく似てる気がするんだけど、そう思うのは私だけだろうか。

中島らもは、エッセイは面白いけれど、長編小説は堪え難い。(まあ、色々と意見はあるだろうけれど。少なくとも私には。)その点、町田康は作家だな、と思う。あ、でも本当はロック歌手だったけ。(でも私は彼の音楽を知らない。)

ワークライフバランス2007-07-20 00:04:54

来週仕事を休むために、今無理して働く事態に陥っている。

ワークライフバランスってのは、大変なことですよ。

と、思ってたら、ニュースに、「仕事と生活の調和」推進役の厚生労働省が霞ヶ関で残業ナンバーワンと出ている。http://www.asahi.com/life/update/0718/TKY200707180651.html

「ワークライフバランスしましょう!」なんて国民に呼びかけながら、「私は過労死するかもしれないけど」なんて感じながら働いている職員が35%、異常です。

雷龍の国2007-07-30 22:30:44

Tiger's Nest: タクツアン寺院を望む
雷龍の国ブータンから帰ってきた。

滞在の8日間、ずっと雨。3カ所のべ5回の土砂崩れに悩まされた旅の前半は車中で10時間待つは、挙げ句の果てに車中泊、崖崩れを歩いて越えて、友人との再会、と万丈波乱。久しぶりに「旅」を満喫させてもらった。

それにしても、森がこんなに美しい国があるだろうか。霧に霞んだ、雨に濡れた、闇に浮かび上がる、木々、羊歯、苔、花々。

そして祈り。この国で自分自身が受入れた「業」と希望を忘れずにいられますように。

土砂崩れも降り続いた雨も「業」です、と言われれば、そんなものかと思う。自分自身の力でどうにもならないことを受入れること。明日からの仕事もこれで乗り切ろう(笑)。