辛い話2007-08-05 00:07:39

プナカの野菜市場にて
引き続き、一人でブータンマイブーム!ですが、今回は食べ物について。

ブータンに行って来たというと、食べ物ってどんなの?と聞かれるが、一言で言えば、「唐辛子が野菜の国」か。これまで南アジアにおいてはスリランカのカレーが一番辛い、と思っていたけれど、唐辛子を言葉通り野菜のように食べるブータンには勝てまい。

噂には聞いていたブータンのおかずの定番、エマダツィ。言うなれば唐辛子のチーズ煮である。作り方は、唐辛子とカッテージチーズ(日本やアメリカでやるならフェタチーズが良いとガイド氏)、塩と水をお好みで入れ、煮るだけ。これを赤米のごはんにつけ合わせて食べる。いやー、はっきり言って辛い。っていうか、痛い。チーズソースの部分はともかく、本体(唐辛子)をガシガシ食べるのには、いくら何でも難がある。

他にサラダも唐辛子のみじん切りとカッテージチーズをまぜまぜしたものあり。大根のサラダも唐辛子パウダーで真っ赤。ネパールではトマトのソースをつけるモモ(餃子)も、赤唐辛子のペーストを付けて食べる。

ブータンではビンロウジュとパン(キンマ)の葉を噛む嗜好品を食べている人も多いので、穏やかな国の割には、刺激物嗜好が強い。

という訳で、ブータンでは可愛らしい白い花を付けた唐辛子畑を良く見かけた。そして笑うと歯が赤いおばあさんやおじいさんも。

選挙2007-08-05 11:57:56

トンサとワンデュポダンの間の町で発見
先の参院選の結果は、バンコクから成田に飛ぶ飛行機の中で知った。投票日がブータン旅行中になる今回の選挙、投票日の2週間前、はじめての期日前投票で済ませていた。

日本では話題にならないが、ブータンは2008年に歴史上初めての総選挙を予定している。君主制から立憲君主をめざそうという路線は、国民の中から生まれたのではなく、前国王が打ち出したもの。ブータンの国王は賢王として知られるが、数年前には国王の権限を制限する法案を自ら提案、国民から抵抗を受けながらも説得して承認させたという人である。(ちょっと西にある某国とはえらい違い!)

今回旅行中、ブータンの人々の国王に対する信頼と尊敬をいうのをつくづく思い知らされた。タイも国王への敬意が篤く、国中にLong live the kingとあって驚くが、ブータンでは、人々が口を揃えて「私たちたこんな素晴らしい国王がいて、幸せである。選挙なんか本当はしなくて良い。Politicsにより汚職が蔓延し、国が悪くなるのは嫌だ。」と言う。

民主主義の形はそれぞれの国で、その国の人々が望む形であるべきで、何も国会があり、選挙があり、政治家がいて、ということでなくても良いとは思う。特に、教育の浸透や、いわゆるCivic Educationが不十分な国であった場合、政治システムの導入そのものが、汚職や不安定な政治情勢の原因となる面もあるだろう。(と、またしても西の某国が頭に浮かぶが。)優秀な指導者がいる場合、そのリーダーシップの元に国づくりを進めて行くというのもひとつのあり方だと思う。

が、ともかく、ブータンは来年の選挙に向けて、着々と準備を進めている。もう2度も模擬選挙をやっており、写真は土砂崩れをダイナマイトで爆破している間待っていた町で発見した模擬選挙の時に使われたと見られる模擬ビラ。はにかんだ若者が拳を挙げたところに、マニフェストなどと書いてあるのが微笑ましい。このビラの横にはカラー刷りで選挙や選挙制度を説明するポスターもあり。また旅行前には有権者教育用のビデオを見る機会があったが、なんだかまじめに頑張っていて素晴らしいのだ。

くどいようだが、これまた西の某国とは大違い。西の某国(ってネパールです)は、当初6月に予定していた制憲議会選挙が流れて、11月に延期。ここ1年ぐらい仕事の関係でネパールの選挙に向けた動きを見ているが、もどかしいほど、色々なことが決まらない、進まない。一つには、ネパールの政治家があまりに利己的であるというのが原因だと思うが、ここはネパールの歴史的転換期、どうにか頑張ってもらいたいものである。いい加減、「ブータンの反面教師国」の汚名を返上して頂きたいものだ、と、過去に3年ネパールに住み、多少の里心を持つ者としては思うのだ。

南アジアでは、近くパキスタンも、そして来年末までにはバングラデシュでも選挙が予定されている。インドに牽引されて経済成長も堅調な南アジアの国々。政治的環境も良い方向に向かって動いて行くことを願う。