選挙2007-08-05 11:57:56

トンサとワンデュポダンの間の町で発見
先の参院選の結果は、バンコクから成田に飛ぶ飛行機の中で知った。投票日がブータン旅行中になる今回の選挙、投票日の2週間前、はじめての期日前投票で済ませていた。

日本では話題にならないが、ブータンは2008年に歴史上初めての総選挙を予定している。君主制から立憲君主をめざそうという路線は、国民の中から生まれたのではなく、前国王が打ち出したもの。ブータンの国王は賢王として知られるが、数年前には国王の権限を制限する法案を自ら提案、国民から抵抗を受けながらも説得して承認させたという人である。(ちょっと西にある某国とはえらい違い!)

今回旅行中、ブータンの人々の国王に対する信頼と尊敬をいうのをつくづく思い知らされた。タイも国王への敬意が篤く、国中にLong live the kingとあって驚くが、ブータンでは、人々が口を揃えて「私たちたこんな素晴らしい国王がいて、幸せである。選挙なんか本当はしなくて良い。Politicsにより汚職が蔓延し、国が悪くなるのは嫌だ。」と言う。

民主主義の形はそれぞれの国で、その国の人々が望む形であるべきで、何も国会があり、選挙があり、政治家がいて、ということでなくても良いとは思う。特に、教育の浸透や、いわゆるCivic Educationが不十分な国であった場合、政治システムの導入そのものが、汚職や不安定な政治情勢の原因となる面もあるだろう。(と、またしても西の某国が頭に浮かぶが。)優秀な指導者がいる場合、そのリーダーシップの元に国づくりを進めて行くというのもひとつのあり方だと思う。

が、ともかく、ブータンは来年の選挙に向けて、着々と準備を進めている。もう2度も模擬選挙をやっており、写真は土砂崩れをダイナマイトで爆破している間待っていた町で発見した模擬選挙の時に使われたと見られる模擬ビラ。はにかんだ若者が拳を挙げたところに、マニフェストなどと書いてあるのが微笑ましい。このビラの横にはカラー刷りで選挙や選挙制度を説明するポスターもあり。また旅行前には有権者教育用のビデオを見る機会があったが、なんだかまじめに頑張っていて素晴らしいのだ。

くどいようだが、これまた西の某国とは大違い。西の某国(ってネパールです)は、当初6月に予定していた制憲議会選挙が流れて、11月に延期。ここ1年ぐらい仕事の関係でネパールの選挙に向けた動きを見ているが、もどかしいほど、色々なことが決まらない、進まない。一つには、ネパールの政治家があまりに利己的であるというのが原因だと思うが、ここはネパールの歴史的転換期、どうにか頑張ってもらいたいものである。いい加減、「ブータンの反面教師国」の汚名を返上して頂きたいものだ、と、過去に3年ネパールに住み、多少の里心を持つ者としては思うのだ。

南アジアでは、近くパキスタンも、そして来年末までにはバングラデシュでも選挙が予定されている。インドに牽引されて経済成長も堅調な南アジアの国々。政治的環境も良い方向に向かって動いて行くことを願う。

コメント

_ ganesh ― 2007-08-05 23:51:43

西の某国、西の某国・・・・なぜか、自分のことのように、とても恥ずかしい気分になるのはなぜでしょう。そして、ブータン。なぜこんなにも違うのでしょう。国王レベルで第3国研修(でしたっけ?)してもらってはどうでしょうか?

_ turtle*tortoise ― 2007-08-06 00:52:48

やっぱ、コメント付きましたね〜(笑)。国王の第三国研修はナイスアイデアですが、研修する前に首ですかね。っていうか、ネパールって、国名も王国じゃなくなっちゃったし。来年春のブータンの新国王の戴冠式に、ネパール王室って呼ばれるのかしら。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック