仏の教え2009-05-23 12:12:07

タンゴチェリ寺院にて
写真はタンゴ・チェリ寺院の境内でお勉強するお坊さん。お経を勉強していますが、お経には、言葉通りの意味に加えて内なる意味があり、そして次にすすむべき道を示す地図でもあるそうな。

ブータンはチベット仏教の国で、国王と対等な地位にジェ・ケンポと呼ばれる大僧正がいる。ブータンの国は17世紀にシャブドウン国家統一にはじまり、このシャブドウンによってドウク派が国教となった。シャブドウンの転生は今でも続いている。

ということで、国の成り立ちと仏教は密接で、仏教の世界観は人々の生活、価値観とともにある。

数々の寺院やゾンを訪れ、ガイド君から沢山の仏像、仏画、エピソードや伝説を教えてもらうのだけれど、その中で印象に残った仏教の5つの毒(毒というのは適切な表現かはわからないけれど、英語ではpoisonという言い方をしていたので)。

Attachment 凡庸
Ignorance 無知
Jealousy 嫉妬
Anger 怒り
Pride 自負

悟りに至る道というのは、難しいものだと思う一方、おおよそ人が心がけるべきことをきちんと示しているものだ、とも思う。

村の暮らし2009-05-23 22:08:25

ウラの軒先
ブータンの旅の話が続きますが。

今回の旅では、東の方のウラという村のお祭り(チェチュ)を見ようと思っていたのだけれど、前日隣の村まで来てみると、ウラのチェチュは3日後に延期と聞かされ、残念ながらチェチュは見逃した。

日本ではこのお祭りを狙ったツアーを販売しているのを見たので、旅行会社はさぞ困ったことでしょう。が、いかにも南アジアらしい話でもあり。

せっかくなのでお祭り前のウラの村を散策した。畑の広がる中、家が数十軒集まった小さな村。冬は寒いのだろう、庭先には薪が山とつまれている。学校がある時間帯のためか、村の中には小さな子どもと犬、年寄りばかり。春とはいっても初夏のような日差しの中、庭にはシャクヤクの花、そして柔らかな緑の柳の並木。石畳の小道を歩くと、なんとものんびりとした麗らかな村である。

これまで、色々な国に行き色々なところを訪れたが、都市や町はたいてい、自分の理解の範囲の世界である。ところが村に行くと、時々、「こんなところに生まれ育ったら、そこで持つ世界観や価値観は、どんなものなのだろう。」と思うことがある。

ウラは全くそのように思わせる村で、自分の目にはまさに桃源郷に写る光景も、そこに住む人々には日々の現実で、笑ったり、悲しんだり、喜んだり、怒ったり、そうして暮らしているだと思うと不思議である。