雲ノ平から槍ヶ岳へ2009-09-05 00:56:03

チングルマ
飛騨山脈を、富山県側から長野県側に縦断してきた。

【コース】
折立(富山県)-薬師沢-雲ノ平-高天原-水晶岳-鷲羽岳-三俣蓮華岳-西鎌尾根-槍ヶ岳-上高地

【コースタイム】

8/29 8:10 折立 - 11:30 太郎平 12:10 - 14:40 薬師沢小屋
8/30 5:10 薬師沢小屋 - 8:00 雲ノ平小屋 8:50 - 11:45 高天原山荘
9/1   5:15 高天原山荘 - 8:00 ワリモ乗越 9:00 (- 水晶岳PH -) 11:45 - 13:30 三俣小屋
9/2   5:05 三俣小屋 - 7:45 双六小屋8:15 - 11:45 千丈乗越 12:05 -13:15 槍ヶ岳肩の小屋 (- 槍ヶ岳PH -) - 15:05 ヒュッテ大槍
9/3  5:05 ヒュッテ大槍 - 12:10 上高地河童橋

関東は台風が通過し、荒れたようですが山の上はさほど悪化せず、槍ヶ岳目指し西鎌尾根を歩いた日には台風一過の晴天に恵まれ、北アルプスの展望を欲しいままに夏らしい縦走を楽しんだ。

一番印象深かったのは、やはり高天原の温泉。日本で最もアクセスが悪い秘湯、鄙びて味わい深い山小屋とあわせて素晴らしいところでした。

雲ノ平から槍ヶ岳へ その22009-09-05 09:50:20

雲ノ平
【DAY 1:雨 のち 曇り】

前夜池袋から夜行バスに乗り、翌朝富山駅着。富山駅からは予約していた富山地鉄のバスで有峰湖を越えて折立へ。バスの中は登山客のみ。富山到着時から始終雨。雨の中合羽を来て歩き始める。1週間前に同じ道を歩いているので予め想定していたポイントで休憩を取り太郎平着。所要時間は前回と全く同じ3時間15分。雨は小降りになったものの、薬師岳は霧で見えない。

太郎平で一休み、湿った登山道を一気に下り、薬師沢までつづく木道をすすむ。周囲はトリカブト、シシウドなどの花が咲き、木イチゴの実も赤い(←当然、食べる)。小屋到着後はテラスでのんびり、沢を眺めながらだらだら過ごす。黒部本流の水量は1週間前に比べてかなり減っており、やはり1週間前は水が多かったことを確認。この日小屋には赤木沢目的のパーティーがたくさんいた。

【DAY 2:霧 時々雨 のち 晴れ】

薬師沢小屋から雲ノ平まではめちゃくちゃな急登で朝からうんざりする。Tさんがこの道の下山嫌さに帰りは大東新道を行ったというのもうなずける。ひとしきりの登りから木道に飛び出すと、あとはゆるゆるとした道に。霧で視界がきかないながらも周囲には地塘が見え、アラスカ庭園から奥日本庭園に向かうころにはすっかり「雲ノ平」の風景に心奪われる。盛夏には登山客で賑わうだろうこの楽園に、自分たちしかいないというのも嬉しいところ。
雲ノ平山荘では営業時間前というのにホットミルクを作ってもらい、のんびりくつろぐ。

雲ノ平山荘から奥スイス庭園を経て、コロナ平へ。(コロナ平にはコロナ観測所なるものがあるということなのだが、これって一体何?と思って調べてみると、日本のコロナ観測所は乗鞍にしかない模様。むかし雲ノ平にあったということなんですかね?)コロナ平から詩ノ原、苗代ノ原を越えると、それまでの開けた風景から一変、樹林帯に入り、一気に下る。3カ所に梯子あり。

高天原峠から岩苔小谷にかかる丸太橋を越え、岩苔乗越への登山道分岐を過ぎると、目前には高天原の湿原が一気に開ける。絶景に声をあげている間に、高天原山荘着。建物全体がひしゃげた鄙びた山荘は、それでもきちんと清潔で、食事もおいしく(アザミの葉のてんぷら!)、夜にはランプがともりとても素敵なところだった。

山荘に荷物をおろしてまずは夢ノ平の竜晶池へ。静かな水面に水草がゆれ、トンボが戯れる。静寂のひととき。

その後待望の高天原温泉へ。どこから歩いても到達までに1泊2日はかかる故に一説には日本一遠い温泉とも。まさに沢沿いの野湯。誰もいない大自然の中で青白い湯につかり、空を仰ぐ。こんな贅沢があるかってなものである。極楽極楽。

雲ノ平から槍ヶ岳へ その32009-09-05 14:36:39

岩苔乗越へ向かう お花畑の朝
【DAY 3: 雨 くもり のち 雨】

予定では一般登山道ではない温泉沢をつめるルートで水晶岳(黒岳)にあがるつもりだったが、朝から雨がぱらついているので、取りやめ。眠りノ平から岩苔乗越を目指す。途中の水晶池は水が枯れ、干上がった泥沼。さして美しくもなかった(が、水がある時はものすごく綺麗な写真を見た)。道々木イチゴを口にいれながら、沢筋をのぼっていく。途中休憩をとっていたら、オコジョが出て来た。褐色の背に白いお腹でするりと細い体に愛らしい目。こちらを伺いながら岩の間を駆け巡り、あまりにも愛くるしい。

ワリモ北分岐にザックをデポし(が、同居人は荷を担いで)、水晶岳をピークハントする。霧が濃く視界が晴れない中、とりあえずは頂上を踏む。水晶岳は百名山の中でもアクセスが悪いそうな。まあ、確かにどこから縦走しても遠いかも。

分岐に戻りザックを担ぎ、ワリモ岳を越えて鷲羽岳へ。途中太陽が出たので合羽を脱ぐ。が、鷲羽岳に着くころにはまた全てが霧につつまれた。鷲羽岳はなかなか大きな山で、ここから北俣山荘までの下りがジグザグと長く、うんざりした。

この日双六山荘まで足を伸ばしておけば後がラク、というところで、三俣山荘からさらに進むか悩む。最後は「そうは言っても疲れたし!時間も厳しい。」ということで三俣山荘に留まる。小屋に入りしばらくすると大雨が降り出し、この決断は結果的に正解だった。