雲ノ平から槍ヶ岳へ その42009-09-10 00:06:38

西鎌尾根の先に槍ヶ岳
【DAY 4: 晴れ】

夜明け前に小屋の外に出る。東に星。そしてついに槍ヶ岳の三角のピークがくっきりと見える。これは台風一過の晴天か、期待できる。

日の出前の薄暗さの中出発し、ご来光と競うように三俣蓮華岳に向けて歩く。三俣蓮華の頂上からは前日まで歩いて来た水晶岳、鷲羽岳が見え、加えて黒部五郎岳、槍ヶ岳方面、笠ヶ岳、遠くには白山も見える。ここから双六への尾根沿いを歩き、途中中道をへて双六小屋着。双六小屋でのんびりとお弁当の朝ご飯を楽しむ。目前には樅沢岳への急登がそびえる。

双六小屋から樅沢岳へはジグザクとした急登。頂上を越えると槍ヶ岳までつづく西鎌尾根の全貌が見える。あの三角を目指せ!(まさに写真のとおりです。)

西鎌尾根は最後の3分の一ほどは鎖場もあり、ザレて足場が悪いところもあるが、大半は歩きやすくなだらかなアップダウンを繰り返す展望の尾根、長野側と岐阜側をつなぐ橋のようなところ。

千丈沢乗越まで来ると、槍ヶ岳は目前に。ここからまた登り一辺倒でうんざりするが、ジグザグと折り返して行くと、槍ヶ岳山荘の脇に出る。ここでザックを置いて、槍ヶ岳の頂上をピークハント。

実に、15年振りの槍ヶ岳。針の山の狭い頂上からの360度の展望。

その後ヒュッテ大槍に向かう。日没まで槍ヶ岳と周辺の遠望を満喫。ヒュッテ大槍ではテレビクルーが滞在中(←たぶんNHK)。クルー以外の客は我々を除き1名のみ。静かな山小屋といいたいところだが、テレビクルーの人達はいつまでもテレビを見ていてうるさいのであった。

もう一人のお客さんは女性の単独行だったのだが、翌日は槍ヶ岳から南岳、北穂、奥穂高まで、できれば西穂まで、と言っていたので驚きである。明日は我々は下山のみ、と思うと少し寂しくもあるが、山中4泊目ともなればもう充分な気もする。

雲ノ平から槍ヶ岳へ おしまい2009-09-10 22:51:56

槍ヶ岳に向かう朝
【DAY 5: 晴れ】

この日は上高地までのひたすらの下り。単独の女性からぶどうのおすそわけを頂いて、夜明けと同時にヒュッテ大槍を後にする。薄暗い中、槍ヶ岳の肩にある小屋のあかりが光る。時折フラッシュが光るのは、日の出を見ている人達のカメラからか。

ジグザグと谷に向かって下り、坊主岩小屋の分岐へ。登山者が多い槍沢の道、良く整備されているがひたすら足を動かしていると膝に響く。見上げると槍ヶ岳、中岳、南岳が動きの速い霧に見え隠れする。天狗原への分岐を分けて、ババ平も近くなってくると、ついに槍ヶ岳が見えなくなった。槍沢キャンプ場で朝ご飯、小屋につくってもらったお弁当を食べる。

槍沢ロッジを越えると傾斜もゆるやかになり、上高地までの距離ばかりが長く感じられる。横尾では沢山の登山者がたむろし、徳沢や明神に近づくと環境客の姿も。(ところで、観光客の人にもいちいち「こんにちは!」と言われると半ばうんざりしてしまう。向うに取っては1回でもこちらが返事をする回数は何倍も多いのだ。やれやれ。)

河童橋から右岸に渡り、村営ホテルのお風呂に急ぐ。ここは外来の入浴受付が12:45まで。そうとは知らなかったので間に合ったことを幸いに、さっぱりと汗を流して帰路についた。

おしまい。

ところで、山から降りたら政権交代。職場に出てみると上司が交代(予定)。山にいる間にいろいろな変化が起きたようで。秋に向かって落ち着きません。

(写真は三俣蓮華周辺から、その日めざす槍ヶ岳を望む。)