Gift & Calling2008-02-20 22:48:38

昨日「贈り物」の話を書いたところで、今日は似たようなお題だけれど、少し違う話を。

Giftというのは普通に言えばもちろん、「贈り物」なのだけれど、同時に「天から授かった才能」という意味がある。Callingというのは、まあ、「電話」とか「呼ぶ」とかいう意味もありますが、同時に「天職」という意味がある。人自らが職業を選ぶのではなく、天から選ばれた職業を授かるということ。ここで敢えて英語を引用するのは、「才能」とか「天職」という言葉では表現できないニュアンスが、それぞれの言葉にはあるから。

今日、友人が歌うのを聞きに行き、彼女の歌う力はGiftであり、彼女が歌手であることは、Callingである、と思った。

あまり上手く説明が出来ないのだけれど、私が劇場に出向いてオペラを聴き続けるのには、稀にある「神が降りたような瞬間」を味わいたいからだ。「神が降りた」などと言うと、とても大げさだけれど、心が震え、頭が空白になる瞬間というものが、時にあるのがオペラで、その高揚感というか、周りが無になって漂う感覚のようなものに取り憑かれて、また劇場に行きたくなってしまう。

と書いたところで、ただ、誰もがオペラを観て同じように感じるかどうかは別問題で、「神が降りた」瞬間を得るのもある種の才能で、自分はオペラを聴き楽しむということについては幸福なgiftをもらったものだと思う。

さて、本日の友人の歌を聞いて、「神が降りた」瞬間があったのかというと少し違うのだけれど、彼女には神が降りるだけの「器」があるなあ、という意味で、その歌う力はgiftであり、歌手であることはcallingであると感じ入ったという次第。今日のようなリサイタルではなくて、いつかはオペラの舞台で、その「瞬間」に出会いたい、と強く思った。

今月一杯は日本で歌うようですので、興味のある方は是非。とか言いながら、チケットは殆どソールドアウトのようですが。
http://www.asakotamura.com/japanese.html

ところで、天から授かったgiftを生かすための彼女の努力というものには、凄まじいものがあって、努力する力とエネルギーもgiftのうちだ、と思うのでした。

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